NIYONIYO ほっと・ねーちゃー
天空高くタカ見の見物 〜勇猛なる者〜
刈田悟史
![]() チョゲンボウ |
驚くほど、夕焼けが早くなる頃、ふと気付くと、あっという間に冬の気配がそこらじゅうを埋め尽くしています。吐く息が白く揺れる頃、雑木林の木々はいつのまにか枝ばかりになっていて、 一面の茶色い落ち葉の上、かさこそ音を立てて歩いてみれば、 あちらこちらで小鳥の飛び交うさまが目に付きます。
そう、冬は鳥たちのにぎやかな季節なのです。
鳥たちの中でも、格別のカッコよさを備えているタカの仲間をよく見かけるようになるのも、この季節。人里はなれた深山に暮らすイメージが強いかもしれませんが、ちょっとまとまった林のあるところでは、意外に身近に 住んでいるものなのです。
狙うはきれいに晴れあがった小春日和。用意するは双眼鏡一つと、のんびりゆったりした気持ち。丘の上や河原の、ちょいと開けたところで、「タカ見の見物」とまいりましょう。
![]() オオタカ |
スポットに着いたら、あとは上をながめてのんびり待つだけ。 ひたすら歩きまわるもよし、首がつかれたらゴロンと寝転がるもよし。静かに待てば、意外なほど近くに小鳥が飛び交い、退屈する暇なんてありません。
やがて、上空を大きな鳥影が通ったら、双眼鏡でじっくりとのぞきます。
ここから先は、シャーロックホームズばりの、楽しい推理の時間です。
ほとんどの場合、正体はカラス。全身が黒く、よく羽ばたくのが見分けるポイントです。 タカ類は、ひどい逆光でもない限り、白っぽく見えるものがほとんどです。あまり羽ばたかず、凛々しい雰囲気で風に乗っているのはタカの仲間の可能性大。まずは、種類なんて分かろうとせず、じっくりと雄大な飛翔をながめ、空高くから地上を見下ろすその気持ちを想像してみましょう。
![]() トビ |
実は、飛んでいるタカの種類を見分けるのは、多少上級者向け。高く飛んでいる場合、細かいところが見えないので、全体の色合い、
翼や尾羽の長さ、体型などをじっくりみる必要があるんです。コツはひたすら、何回も見ること。図鑑片手に、何度も見比べていけば、きっと常連さんの顔くらい区別がつくようになるはずです。
そうして見ていると、晴れ上がった空に漂う白い雲。飛行機雲が視界を真っ二つに両断し、やがて夕焼けのオレンジ色が 空をムリヤリ染めはじめます。天空はるか高く、ゆったりと輪をえがくタカの視界には、眼下に広がる広大な 世界が、ゆっくりと色づいていく様子が映っているのでしょう。
壮大な空の芸術と、雄大な景色の中で、風の上を渡り歩く。そっとその世界を想像しているうちに、人間に翼がないことが悔しく思えてくること、請け合いです。地面に張りつく生活にちょっと疲れたら、タカの目を借りて、広い世界に想像をめぐらす…。そんなバードウォッチングに出かけてみませんか?
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大学在学中、「環境サークルなちゅれ」に在籍したことをきっかけに、自然を見つめる面白さに目覚め、定職にもつかず、生き物の世界をふらふらしている。公園の警備員をやっているほか、ことあるごとに鳥を見たり、魚をおっかけまわしたり年齢不詳の時間を楽しんでいる。 |