NIYONIYO 胡弓 寒月の調べ

インタビューを終えて

 「文革(文化大革命)について、どんな感想を持っているか?」。尹さんにこの質問をしたとき、尹さんは丁寧に、コメントすることを断った。予想していたことでもあり、「当然かも知れない」と思った。当事者の複雑な胸中を、そのことからうかがうしかできない。それほど、文革が残した心の傷も深いのだろうと、わずかに想像するよりほかない。 【会田正宣】

学生時代、環境問題を研究するサークル「なちゅれ」を主宰。楽器や空手など四方八方手を出すが、身につかないことばかり。気の多いB型。今は中国語に取り組む。アイルランドのロックグループ「U2」ファン。仙台在住の記者。横浜出身。

 文革については、学生時代、チャン・ユンの「ワイルドスワン」を読んだとき、想像を絶する世界のありさまを知った。それ以来、文革については関心があった。友人、家族などの間ですら闘争が行われ、階級の出自によって人が差別され、攻撃された文革。その渦中で、人は一体何を信じて生きていたのだろう…などと感じていた。

 最近、文革期の体験がつづられた「中国医師の娘が見た文革」(チャン・シンフォン)を読んだ。チャンの結びの部分の文章は、非常に示唆に富んでいる。「自分より卑怯な者が存在することを証明する喜び。他者に暴力をかける行為によって生の深い闇から涌き出てきた満足感と喜び。数千年来文明の外套に隠された、人間の最も醜悪な本体の瞬間的な裸出」。チャンは人間の中にある闇の衝動が、革命という「正義」のもとに「大義」を得て、文革の暴走につながったのではと分析している。的を得ていると思った。

 そんな文革の被害に遭いながら、胡弓を弾き続けた尹さん。尹さんが「胡弓は自分の命のような存在だ」と言ったとき、音色の素晴らしさ、奥深さがうなずけるように思った。謝謝!


 これほどまでに、楽器が歌っているのを聴いたことがあっただろうか?あたかも鳥がさえずるかのように。馬がいななくように。人の喜びや悲しみ、心の襞までを胡弓が歌う。尹さんの技術はもちろんのこと、その表現力に大変感動しました。

    によによ初のイベントとして、メンバーが力を合わせ、一つのものを作り上げたことがとても価値あるものでした。演奏のすばらしさと達成感で心が満たされました。

【高橋理麻】

 ピアノ、声楽などに親しみ、大学では音楽文化学を専攻。自分の世界が狭まるのに疑問を覚え、「何となく」生命保険会社に就職、人との出会いが楽しみ。ネパールの旅行が楽しかった。秋田県由利郡出身。


トップに戻る

感想コーナへ行く
メールで感想をお寄せいただいた方に、オリジナルデスクトップ壁紙プレゼント!