NIYONIYO 歌はさずかりもの

インタビューを終えて

 「自然と音楽が鳴ってくるんです。」加川さんは、作曲のときの様子を生き生きと話してくれました。音楽を少しかじった私には、その難しさがわかります。ある程度の努力で一定レベルに達しても、それ以上を成すことは、才能以外の何ものでもないということを。「音楽があふれ出てくる」と言う彼は、才能を持った人なのだと思いました。 【高橋理麻】

 ピアノ、声楽などに親しみ、大学では音楽文化学を専攻。自分の世界が狭まるのに疑問を覚え、「何となく」生命保険会社に就職、人との出会いが楽しみ。ネパールの旅行が楽しかった。秋田県由利郡出身。

 人の最も素晴らしいところは、何かを考え出したり、表現したりすることだと、私
は思っています。加川さんの音楽活動は、自分自身を表現する、生きがいのある創造作業なのだと思いました。「音楽は表現の手段、歌は自分自身」彼は、自分の想いを歌詞にし、どこからともなく自然に鳴り響く曲にメッセージを込める。

 人が生きるとはどういうことか。人と人との本音のぶつかり合い。人の痛みを知る。不平不満を言わず、自分で何とかすればいい。音楽を通してこれらのメッセージを伝え、より多くの人に「考えるきっかけを持ってもらいたい。」と加川さんは言っていました。

 加川さんは音楽を一度も止めようと思ったことはないそうです。「落ち込んだり、
何もしたくない時、音楽に救い、勇気を求める」「これなくしては生きて行けない」と、音楽の存在を生きる支えとしているようでした。それほど音楽が好きで、彼の人生と音楽が深く結び付いているのだと感じました。

 加川さんの音楽活動は、より彼の人生を豊かにしているのでしょう。自分で作詞、作曲をし、歌うことによっての満足感、充足感。コンサートという表現の場があることによってのメッセージ発信。自分をサポートしてくれる人や音楽仲間の存在。それらすべてが、人生を、加川さん自身をより豊かにしていることでしょう。
「障害ゆえに、広がりが少ない。しかし、だからこそ見えるものがある。」「自分の
したいことをしたいように自由奔放に」 

 加川さんは今後「全国の人にも、自分が歌っていることを知ってもらいたい、メッセージを伝えて行きたい」と言っています。彼の自己表現が、彼自身にとどまることなく、より多くの人に伝える表現になって行って欲しいと願います。

 私も生涯を通して、どう自分を表現して行くかを考えたいと思います。


 加川さんとお会いして一番印象に残ったのは
「人と同じ生き方をしたくなかった」という言葉でした。14歳でこのような決意を固められたことに驚くとともに、そのような決意をおそらく自然体で受け入れたであろうご両親の慈しみを感じました。

 歌にはいつも伝えたいメッセージがあり、そのメッセージは伝えられるという、限りない歌への信頼もまた自然体だと思いました。

 CDに収録された「都市」には、離れて住むお母様への懐かしさと、温かな感謝がこめられているようで、聞いていると励まされる思いです。
今後のご活躍を期待しております。

【佐藤きよみ】

 仙台市出身で獅子座のA型。平成2年から短歌を始めて、馬場あき子主催の「かりんの会」に所属。4年、「カウンセリング室」で、第35回短歌研究社新人賞受賞。7年に第一歌集『パウル・クレーの憂鬱』を上梓。現在は児童相談所に勤務。趣味は中国文化に触れること、アジア映画をみること。レスリーチャン、金城武のファン。


 仕事や個人的なつながりを経て、身体障害者の方の話をうかがう機会に、いく分、恵まれてきました。そこで感じていたのは、人は、さまざまな顔を持っているという当然のこと。障害者との狭いつきあいの中で、人間として尊敬している方は多い。自分が尊敬する彼らに共通しているのは、「人間として何を大切にしているか」の点だと思っています。

 また、健常者よりも、自らの生を直視し、感じることがより多いという条件(個人差はあるでしょうが)を持っていることも言えると思います。

 加川さんが音楽を選び、そこで生きようとしている姿勢にも、同じものを感じています。加川ワールドをどんどん深め、良い歌をどんどん歌っていただけることを願っています。

【会田正宣】

学生時代、環境問題を研究するサークル「なちゅれ」を主宰。楽器や空手など四方八方手を出すが、身につかないことばかり。気の多いB型。今は中国語に取り組む。アイルランドのロックグループ「U2」ファン。仙台在住の記者。横浜出身。

 


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