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ガザガサ団への誘い 〜水ぬるむ頃〜

刈田悟史

モツゴの写真です
モツゴ

 アジサイも咲き、いつの間にやら夏の足音が近づいて聞こえてくる頃。 ふと手を伸ばせば、冬の間は肌を切るような冷たさだった川の水もひんやり気持ち良く感じられます。
 こんな季節、子供の頃のワクワクを胸に、ちょっと懐かしい遊びにチャレンジしてみませんか?

 用意するのは長靴とタモ網。そしてちっちゃなバケツか水槽。 目指すは最寄りの川か池。
 長靴をはいて水辺にたたずみ、名刀正宗の心意気でタモ網をかまえれば、あなたももう「ガサガサ団」の一員です。
 狙うは水の中にいる愛くるしい生き物たち。 そう、男の子なら一度はやった「魚とり」ってやつです。

オイカワの稚魚の写真です
オイカワの子供

 「大人にもなって」と思うかもしれませんが、一度やってみたなら、 きっと人の白い目なんかどこ吹く風。
 あなたのうちのすぐ近くの小さな川にも、たくさんのかわいい生命が踊っています。 網を入れて、そっと手のひらにのせれば、小さな命の輝きが伝わって、秘密の宝物を開けた気分になれるでしょう。

 銀色に光る小魚かもしれませんし、ニョロニョロ 素早いドジョウかもしれません。堂々としたザリガニかもしれないし、小さなかわいいヤゴかもしれません。
 水槽に入れて眺めてみれば、その美しさにうっとりしたり、 緻密な構造に仰天したりと、時間が過ぎるのを忘れることうけあい。やがて慣れてきた頃に、図鑑を手繰ってみたら、常連さんの名前くらい、きっと分かるはずです。

 最初はなかなか捕まらなくても、回数を重ねてコツがわかってくれば、意外に様々な顔を見ることが出来ます。 ちょいとしたコツとしては、水にかぶさる草の下や、藻の中などを狙ってみたり、深くなっている「淵」の部分を探ってみたり。その辺が「ガサガサ団」の由来です。

シマドジョウの写真です
シマドジョウ

 近頃は、危ないと遠ざけられ、汚いと教えられて、 子どもたちも近所の川に魚がいるなんて想像もしていないのが寂しい現実。
 ゲームボーイ片手の子どもが通ったら、 捕まえた魚を見せて、網を貸してあげるのも一興でしょう。
 昔ながらの遊びを伝えるのは、カルタや凧上げだけではないはず。 目を輝かせて水を蹴散らしている子供たちは、泥だらけのズボンよりも もっともっと大きな何かを手に入れるに違いないのですから。

 水からすくい上げた魚たちは、まるで秘密の宝物。 命の輝きを、手のひらで直接感じられる、数少ないチャンスです。そんな時のあなたの瞳は、目の前の川面のきらめきよりも、もっと輝いているに違いありません。

 入団資格はただ一つ、「胸いっぱいの冒険心」。あなたもガサガサ団に入ってみませんか?


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 大学在学中、「環境サークルなちゅれ」に在籍したことをきっかけに、自然を見つめる面白さに目覚め、定職にもつかず、生き物の世界をふらふらしている。公園の警備員をやっているほか、ことあるごとに鳥を見たり、魚をおっかけまわしたり年齢不詳の時間を楽しんでいる。