| NIYONIYO 未来に盲目とならないために インタビューを終えて |
|
|
「過去を直視しないものは、未来にも盲目となる」。旧西ドイツのヴァイツゼッカー大統領の言葉に、久しぶりに触れたのは、臼井惠さんのペン画の個展でのことだった。会場に、臼井さんが書いていたあいさつ文の中に刻まれていた。 ヴァイツゼッカーがドイツ敗戦から40年の記念スピーチで言った、その言葉。自分も好きな言葉の一つだ。社会の歴史、個人の生き方の双方の面で、大切にすべき言葉だと思っている。 インタビューをしていて思ったのは、医療、平和、環境それぞれのテーマに対して、臼井さんに共通していると感じる姿勢は、謙虚であるということだ。学ぶ人は謙虚である。過去、歩んできた軌跡から学ぶことは謙虚さを必要とし、謙虚さを育む。臼井さんのクリニックに行くと、臼井さんは普通の丸椅子で診察している。患者と同じ椅子、同じ目線の椅子に座っている。 臼井さんのペン画も好きだ。最初に個展で拝見したときは、てっきり版画だと思っていた。ペンで緻密に、目に見えないほどの点を描いていると知ったとき、驚いた。その密度の濃さが、絵に力を持たせているように感じた。丁寧な仕事だ。自分が言葉を書くときも、一つ一つを丁寧に積み重ねたいと思った。 ヴァイツゼッカーの言葉が再び、自分にとって新しい大切な意味を帯びて戻ってきた。過去、現在、未来の時間軸を縦とするなら、人との出会いという横の軸において、また良い出会いをもらった。 |
|
| 【会田正宣】 学生時代、環境問題を研究するサークル「なちゅれ」を主宰。楽器や空手など四方八方手を出すが、身につかないことばかり。気の多いB型。今は中国語に取り組む。アイルランドのロックグループ「U2」ファン。記者。横浜出身。 |
|
|
トップに戻る |
|