| NIYONIYO 2004年夏号 | ||||
| アイルの輪 | ||||
| (アイルはモンゴル語で、家族や隣人といった意味です) | ||||
| ボルジギン・イリナさん | 聞き手 高橋理麻 you-ko 奈津野曽良 日高和帆 会田正宣 | |||
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| 会田−最初からオルティン・ド、民族音楽をしようと思った? 「子どものころはあまり、オルティン・ドが好きではなかったけど、私の声はオルティン・ドに合っていた。若い人はロックなどが好きですが、父に『モンゴル人なのだから、自分の民族のものをしなさい』と言われて、オルティン・ドを歌うことにしました。今はすごく自慢。オルティン・ドを勉強して良かったと思います。日本に来てからも、自分の民族文化を紹介できる。子どものときはモンゴル人という意識はそんなに強くなかった。、町の人から『モンゴル人は声が太くて田舎っぽい』と言われることもありましたし。日本に来て、自分の民族が一層好きになった。 今、内モンゴルでは、町に住んでいる人だと、モンゴル語を話さない人も増えてます。漢民族の学校に入らないと、良い大学に行けなくて、就職も大変になるから」 |
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| 高橋−日本に実際に来てどうですか?また日本、日本人へのイメージは? 「最初は思う世界とは違いました。来る前に日本語は半年勉強しましたが、言葉も通じない。物価も高く、日本と内モンゴルでは全然物価が違います。日本に来る時、100万円かかりましたが、向こうでは普通のサラリーマンの15年分の給料ですよ。工場で働いたり、皿洗いなどバイトしながら。国ではお嬢様だから、皿洗いなんてしませんでした。内モンゴルでは毎日舞台に立っていたから、ギャップがすごく大きかった。1度、学校からの帰りに道に迷って、すごく怖かったことがありましたが、40歳ぐらいの女性が親切にしてくれて、外国人登録証に書いてある住所を見て、バス代も払ってくれて連れて行ってくれた。ジャガイモや野菜も買ってくれて。荷物まとめて帰ろうかと思っていたころですが、また頑張って見ようと思いました。 |
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| you-ko −バイトも大変で、舞台に出ればお金になって、勉強にも専念できるだろうに、その中から子どもにチャリティーとして回していますよね。チャリティーコンサート活動を始めたのはどうして?また、なぜ教科書を贈ろうと思ったのですか? 「チャリティーコンサートは一年に一、二回開きたい。それとは別に、プロとして舞台に立って、生活費に充てるものもあります。内モンゴルにいたとき、周りがみんな芸術家でお金持ちだったから、上等な暮らしをしたいと思っていました。大学一年のとき、ボランティアで草原にコンサートに行きました。私が歌っていたとき、ある遊牧民の女の子がクラスの外で本を読んでいた。私が『どうしたの?』と聞くと、『学校に行きたいけど行けない』と言いました。学費が払えなくて、学校に行けなかったんです。字を読めるのは、クラスの外で聞いて勉強したそうです。 私は子どものころから大きな苦労をしたことがなかったけど、同じ世界に住んでいるのに、学校に行けない子どもたち、大変な子どもたちが、たくさんいるんだと初めて知りました。人生が少し変わりましたね。医者の母が、貧しい患者のために一生懸命、家族を放り投げて働くこともあって、子どものころは『なぜ』と思ったけど、少し分かったような気がしました。内モンゴルにいたときは、学校に行けない子どものニュースなどは流れなかったので、草原に行って初めて知りました。 |
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| 奈津野−将来の夢は? 「私は内モンゴルの大学を卒業したので、大学院に入るつもりだったけど、幼児教育をしっかり勉強したいと思いました。大学入り直して四年間しっかり勉強したいと思います。内モンゴルでは幼児教育が遅れています。幼稚園に行く機会があって、子どもたちと遊んでいたら、子どもたちは可愛いし、内モンゴルに帰ってから幼児教育ができればと思って。幼児教育はとても大切だと思っています」 奈津野−イリナさんは教育者になりたいんですか?芸術家ですか? 「音楽のおかげで、こうしてチャリティーコンサートを開いてモンゴルの子どもに教科書を送ることもできる。しっかり勉強して内モンゴルに戻ったら、日本とモンゴルの子どもが互いに交流できるようにしたい。日本の民族音楽も紹介したいです。日本の子どもは恵まれているから、モンゴルの子どものことを知ったら、別の世界があることを理解できるとも思います。日本のこと、文化を教えたり、日本とモンゴルの架け橋になりたい」 you-ko −モンゴルに帰ったら、また舞台に立つんですか? 「昨年、チャリティーコンサートの収益を持って戻ったとき、『帰って来ないの』と言われました。国に帰れば、舞台に立って、上のクラスの生活ができるかも知れないけど、教科書を送ることができるのは今だと思う。日本とモンゴルの交流に意味がある。今は有意義で、ステキな生き方ができていると思っています」 |
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内モンゴルの子どもたちに教科書を |
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| アイルの輪チャリティーコンサート | ||
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中国内モンゴルでは約500円で子ども一人一年間の教科書が 約3000円で一人の学費がまかなえます ★イリナさんからメッセージ
★出演 【ボルジギン・イリナ】 中国内モンゴル自治区出身。オルティン・ド専門。7歳からモンゴルの踊りと歌を勉強し、大学で声楽を専攻。1995年内モンゴル歌コンクール優勝、内モンゴル代表で出場した中国全国のコンクールでも優勝。現在、宮城教育大学に留学中。 【馬頭琴 アナンディン・バヤラト】 中国内モンゴル自治区出身。16歳で馬頭琴のプロ演奏家になり、内モンゴル歌舞団などに参加。2000年来日、現在、専門学校デジタルアーツ仙台に在籍。稲垣達也さんとのデュオ「SUHO スーホ」を結成。CD発表や演奏活動を行っている。 【ピアノ 稲垣達也】 ピアニスト・作曲家。アルバム『臼碆USUBAE』『One for Wind』をリリース。自在な即興性と"ノリ"を生かして幅広く活動、ジャンルを超えた音楽が多くの人の心の扉を開いている。とっておきの音楽祭SENDAI実行委員長。 ★御礼 「アイルの輪チャリティ−コンサート」に際しましては、趣旨をご理解いただき、過分なるご厚意を賜りましたこと 心よりお礼申し上げます。おかげさまをもちまして、多くの方々にご来場いただき、イリナさんの透明な歌声や馬頭琴の音色などを十分に楽しんでいただけましたこと 一同深く感謝しております コンサートでの収益から22万3333円を、内モンゴルの子供達のために送る費用として、イリナさんに託させていただきます。誠にありがとうございました! |