NIYONIYO 無限と有限の接点
インタビューを終えて
 子どものころ、今僕らが見ている星の中には、何億光年もはるか彼方の星があり、もしかしたら既に消滅してしまって、星の光だけが見えているということを知ったとき、不思議に思ったものだ。「どうして、もうない星が見えるのか?」と。「星の光線は何億光年も前の光なんだよ」と聞いて、漠然と「宇宙って、とっても広いんだなあ」と思った。
 学生のころ、ブラックホールの観測の仕方について、少し聞きかじったことがあった。光線すら脱出できない重力場であるブラックホールは、光が出ないのだから、見えない。パルサーという電磁波を観測に利用するということを聞いた。
 今思うのは、宇宙の広がりとともに、「見える」「見えない」「見えないものを見る」といったことは、どういうことなのだろう?ということだ。また、有限な人間が自然を、無限の宇宙を、見ようとし続けてきた人間の歴史の営みそのものへも、深い感動と興味を覚えずにいられない。
 大平さんのプラネタリウム・メガスターは170万個の星を映し、肉眼では見えない星も映している。見えない無数の星をも投影することについて、大平さんは「見えない星が無数にある本当の星空を、可能な限り忠実に再現したい。見えない星は、見えなくても存在感があり、それが星空の奥行きを生んでいる」と話した。僕には、大平さんのプラネタリウムづくりは、無限の宇宙や世界の謎は、恐らく最後まで解明できないながら、それを解明しようと努力する人間の歩みそのものに重なって見えた。人間らしい営みの一つとして…。
 大平さんは、高校生のときにオーストラリアで見た圧倒的な星空が原点にあるとも話していた。その星空のリアリティが大平さんの中に息づき、メガスターに結実した…。だとすれば、大平さんの中にあるオーストラリアの星空こそ、「見えない無数の星」なのではないか?人々はメガスターに、思いの込められた、その「見えない星」を感じるのではないか?そんなことを思った。
【会田正宣】
学生時代、環境問題を研究するサークル「なちゅれ」を主宰。楽器や空手など四方八方手を出すが、身につかないことばかり。気の多いB型。今は中国語に取り組む。アイルランドのロックグループ「U2」ファン。記者。横浜出身。

 最初、このインタビューの話を聞いたときに思ったのが、「すごいな」ということでした。
私も昔から天体などには興味を持って、いろいろと本を読んだりしてきたのですが、理論のことだけでなく、実際にプラネタリウムという形で天体の模型を作ってしまうという発想は出てこなかったこともあって、実際にどのようなものなのか楽しみでした。
 そして大平さんのお宅に伺い、メガスターを作り上げるまでの様々な製作物の話を聞いて、その実行力に感心してしまいました。これだけのものを個人で作ったということもさることながら、どんどん突き詰めてより磨きをかけていくことはなかなか真似のできないことですし、それが『世界』を再現させるものであればなおさらです。
 で、実際に投影したものを見せてもらいましたが、その精密な描写は素晴らしかったです。はっきりと見える星だけでなく、おぼろげに見える星雲なども再現されていて、思わず近寄って観察してしまいました(笑)。ちょっと残念だったのは星の色が同じだったことですね。星の数を考えれば、すべての着色を行うのは難しいかもしれませんが、これから先の投影機ではできるようになっていることと思います。
 これだけのものを見せられてしまうと、やはり宇宙に一度入ってみたいと改めて思うのでした。
【松井亮介】
 
趣味は読書。最近はデジカメにも凝っています。天文写真はデジカメでは撮りにくいので苦戦中。環境アセスメント関係の仕事をしています。神奈川県在住。

 大平さんの印象は、機械いじりに熱中する子供がそのまま大人になったような人。純粋にモノづくりが好きで、室内に再現した美しい星空を人に見せては楽しんでもらって良かったと素直に感じる。
 ただ、大平さんが普通の子供と大きく違ったことは、実に20年以上にもわたってプラネタリウムという一つのものに興味をもち、もっと良いもの、もっとすごいものを作ってやろうとひたむきに進化を追求し続けたことだと思います。飽きっぽくて何をやってもほとんど中途半端で終わってしまう僕からすると、そんな大平さんの飽くなき向上心にはただ感服するばかりでした。
 ぜひ今度は大平さんのプラネタリウムショーを実際に見に行きたいと思います。見えない星まで映し出すメガスターの次は、音楽など異なる分野との協働による「星空のエンターテイメント」を目指すという大平さんの今後の活躍がとても楽しみです。
【勝本修三】
 東京都在住。会社員。好きなことは、フリスビー、カフェ巡り、ラーメン食べ歩き。好きな映画は、「君がいた夏」、「恋する惑星」、「おもいでぽろぽろ」、「Shall We Dance?」など。

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