| NIYONIYO ほっと・ねーちゃー 雪上の名探偵 刈田悟史
冬も深まり、冷たい空気が里をすっぽりと包む頃、コンコンと舞い立つような白雪が天空より降り立ち、野も山も一面の銀白色に染められます。
狙うはケモノたちの足跡。普段は山を歩いていても、ケモノたちに出会う事がほとんどないので、
「身近にはいない」と思いがち。でも、ちょっとしっかりした林があれば、ノウサギやタヌキなどは元気に暮らしているもの。恥ずかしがりやの彼らに会うには、とびきりの幸運を期待せねばなりませんが、
彼らの暮らしぶりに迫るのは意外に簡単にできるんです。
灰色の脳細胞が解き明かすのは、足跡の持ち主だけではありません。「この足跡はここからぐっと曲がってるぞ」「歩幅が急に広くなったから走ってるな、
何かに驚いたのかな」なんて、勝手に彼らの行動を推理するのも楽しみの一つ。
時には、ノウサギの足跡を追うように並ぶキツネの足跡。両者ともにやぶの中に消えていて、ドキドキしながら覗きこむ、なんてドラマチックな展開もあります。そんなとき、
頭の中では鮮やかな映像が実写フィルムのように流れているでしょう。
コツコツ歩きまわって証拠物件を集め、やがていつの日か、 その持ち主にばったり出会った時の感激は、何ものにも替え難いものがあります。「やっぱりいたのか、ずっと探していたんだぞ」「今まで隠れているなんてイジワルじゃないか」。そんな声をかける間もなく、相手はさっと身をひるがえして消えるでしょうが、 こちらは感動のあまり立ち尽すこと、必至です。 コタツにこもって、冬眠中のクマのような生活をするのも冬のダイゴミですが、なかなか出会えない隣人の無事をそっと確認する楽しみも、また格別なもの。よほど北方でもなければ、ほとんどのケモノは冬眠もせず、冬も元気に走りまわっています。
毎回新しい証拠を見つけ出していくうちに、あなたの視線は、いつかホームズばりに鋭くなっていくでしょう。 |
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大学在学中、「環境サークルなちゅれ」に在籍したことをきっかけに、自然を見つめる面白さに目覚め、定職にもつかず、生き物の世界をふらふらしている。公園の警備員をやっているほか、ことあるごとに鳥を見たり、魚をおっかけまわしたり年齢不詳の時間を楽しんでいる。 |